部活動が忙しい子供さんなら一度は膝の故障があったのではないでしょうか。
走ると痛い、自転車をこぐときに痛みを感じる、正座をすると痛い、膝の下がぽこっと出ているなどの症状があるのであれば「オスグッド病」の可能性があります。
スポーツをする方で膝の痛みを訴える方は多いですが、痛みを我慢して練習をすることでもっとひどい状態になります。オスグッドは治る疾患ですので、正しい知識と対策をすることが解決の早道となります。
オスグッドは成長痛ではない
正式名称は「オスグッド・シュラッター病(症候群)」
サッカーやバスケットボールなどのスポーツをする中学生や高校生に多く見られる、膝の脛骨が出っ張って痛むという骨軟骨炎である。 Wikipedia 参照
よく成長痛だから仕方ないとか、みんな経験する痛みだから我慢!などという考えの監督もいるようなので、そんな意見があれば気にしないようにしましょう。
成長期の子供に多く見られる膝の疾患ですが、子供は皆、成長期を迎えて体が徐々に大人になります。成長期の子供が皆、オスグッドになるかと言ったらなりません。
クラブ活動で毎日練習に励んでいても、なんともない子もいます。いったいその差はなんでしょうか?
■ 筋肉の硬さがカギだった
オスグッドは太もも前面の筋肉が硬くなることで、筋肉の付着部である、膝の下の脛骨を剥離させてしまうのです。
筋肉を硬くさせているのは、さまざまな要因がありますが、練習前と練習後に太ももをしっかりストレッチをしているのかがとても重要になります。
■ 日々の生活でも、太ももに負担がかかっている
自転車を漕ぐという動作も太ももに負担をかけている一つです。しかもサドルを低くすることでよりいっそう太ももに負担がかかります。逆に高くするとふくらはぎがシェイプアップされ運動効果が高まります。
適切なケアが回復の近道
整骨院や整形外科に行っても、膝の周りのストレッチや揉み解しだけの治療だけで終わることが多いようです。また、患部に湿布を貼ることをしても問題の根本解決にはなりません。
■まずは太もも前面のストレッチをする
オスグッドは太もも前面の緊張があるせいで、曲げ伸ばしのたびに脛骨に付着した太ももの筋肉が骨を剥離させてしまいます。しかし、太ももの筋肉が伸びがあり、柔らかければ骨を剥離させるほどの力はありません。
■骨盤が後傾している
テレビを見るとき、勉強しているときなどすわり姿勢を見るとよく、椅子に浅く腰掛けてふんぞり返るような姿勢をしている大人も子供も多いのですが、それは骨盤を後傾させる原因を作ってしまいます。
立っているときは、足で体重を支えています。しかし、座っているときは体重を支えているのは骨盤です。
実は骨盤こそが解剖学的には身体の要なんです。骨盤を解剖学的に正しい位置にセットする必要があり、そうすれば 背骨・股関節・大腿骨など骨盤身連なる骨や関節が全て安定し、姿勢が正され、太ももの張りも取れ、腰痛や肩や首、背中のこりも、全て解消されていきます。
回復を早めるストレッチとは
太ももの前面をストレッチするのに一番簡単ですぐにできるのが実は「正座」です。
正座をするのはオスグッドを悪化させる悪いことだと思っている方もいるかもしれません。
最近の子供さんは昔のようにもちゃぶ台を囲んで正座をして食事をとることが少なくなり、日常で正座をすることが極端に減りました。
そのせいで、日常的にストレッチできる環境だったのがなくなり、オスグッドになる子供が増えているんです。
■ ストレッチは強くても弱くてもダメ
ストレッチをするときについ痛くても頑張ってしまうという人がいますが、それはかえって逆高校かになることがあります。それは筋肉に負荷かがかかりすぎるので、より硬くしようと働くことで症状が悪化してしまいます。
ストレッチは心地よいぐらいの強さでやるのがベスト。
休養と温熱もオススメ
■休養しないと回復はできない
毎日休みなく運動する子供さんがいます。学校が休みで自主練習に励むことはすばらしいことですが、筋肉は休むことが出来ません。ですので、体と相談して練習を休む日を作りましょう。
休養といったら睡眠です。 睡眠不足も筋肉の疲労回復を阻害してしまう大きな要因になります。 睡眠は筋肉以外にも、脳や内臓も休むときなので睡眠不足は全ての器官が回復できないため疲れるのです。
■温めるとよくなる
筋肉だけではないですが、体は細胞で出来ており、温めることで血流が良くなり末端まで酸素や栄養分がいきわたります。
しかし、最近の大人も子供もシャワーで済ませることが多くなり、湯船に浸かる機会が減っています。 ですので湯船に浸かりしっかり温めることが大事です。 しかし、熱を持ってほてっている場合はその限りではありません。
膝のトラブルは結構あります。
オスグッド以外に膝のトラブルはあります。 ここではオスグッド以外にも成長期の子供さんが起こしやすい膝のトラブルをご紹介します。
●膝円板状半月板
生まれつき半月板が大きく、膝がまっすぐ伸ばせないことがあります。
●習慣性膝蓋骨脱臼
転びやすい、走るのが遅い。立ち上がる時、膝を手で支えて立ち上がる。
●膝蓋軟骨軟化症
膝のお皿(膝蓋骨)が内側を向いている。
●シンスプリント
痛みは脛骨に沿ってうずくような鈍痛で始まります。ある一点に集中する痛みとは違
い、 筋肉が骨に付着するラインに沿って起こります。
膝でもさまざまな症状がありますので、まずは専門家に診てもらい対処していきましょう。