骨盤王国の取り組み

骨盤王国の取り組み

チャレキッズに参加

2020.2.24に福岡県福岡市唐人町にある福岡市市民福祉プラザ・ふくふくプラザで、「お仕事チャレンジフェス」に参加してきました。

16企業が参加して、障害のある子ども達に対してお仕事体験をしてもらい、将来への可能性を広げてもらうのと同時に、企業への受け入れ態勢へのセミナーや、意識改善を目的とした企画でした!!

最初は私達でお役に立てるのかな?と少し不安でしたが、やるからには喜んで頂こうと思い、障害を持った子どもに対して整体という業務がどこまで可能性があるのか?

子ども達にどこまで興味を持ってもらえるのか?という課題を持って参加に踏み切りました。

その後の、イベント主催の方との打ち合わせで今回は「お仕事チャレンジフェス」なので、重度の障害を持っている子どもや、身体的障害を持った子どもは参加でず、体験してもらう対象の子ども達は、ダウン症やADHDやADS、知的障害、広汎性発達障害などの就業訓練所に通う子ども達が対象ということを知りました。

そして、自分達なりに考えてはいましたが実際に整体を子供が行うとなった際に最低限必要な機能を聞かれた際に、「どこまでの障害レベルなら対応できるのか?」「どこまでの順応性が必要なのか?」と改めて考えさせられました。

私達の知らなかったこと

骨盤王国の取り組み

単に障害と言っても、症状は様々です。話を座って聞けない、話の内容が理解するのに時間がかる子や漢字が読めない子など、いろいろな症状があるので、その症状にあった対応が求められてくるので、準備をする段階で、まず、子ども達に「何を伝えたいか」「何を持って帰ってもらいたいか」を考えました。

整体は、対人関係の構築が重要になってきます。技術はもちろん、患者さんに安心して通ってもらえる対応力が必要になってくるので、今回は、整体の技術的なことで体験してもらって人を癒す楽しさを実感してもらいたいと思いました。

なぜなら、子どもが、親、祖父母の肩もみをして褒められて喜ぶ気持ちが、整体師の原点でもあると思ったからです。だからと言って、肩もみのやり方を教えるだけだと「お仕事チャレンジフェス」の意味がなくなるので、人体の構造と、筋肉に対しての施術のやり方と人の体を癒す楽しさと、人の体を施術する時に必要な考え方を伝えて行こうと決めました。

一ヶ月位経過した位で、参加希望を出してくれた子ども達の特徴を主催者の方から情報をいただけたので、子ども達の障害の知識を再度学びなおしてみました。しかし、症状の度合いなどは、直接会ってみないとわからないとの事でしたので、考えられる可能性を最大限考慮した内容が必要だと思いました。

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本当に勉強になりました

実際に、参加してくれた子どもたちは、21トリソミー、知的障害、広汎性発達障害、ADHD、ASDの障害を持っている子ども達でした。

21トリソミーは、21番染色体が余分に複製されることでダウン症候群が発生します。ダウン症候群の小児では、発育の遅れ、精神発達の遅れ、特異的な頭部と顔貌、低身長がみられます。なので、施術台の高さが身長に適応するのか、人体の構造を伝える時にどこまで理解できるのかが課題だと思いました。

知的障害は、知的機能の全般で、同年齢の人と比べて遅れや成長の停滞が明らかであることです。意思伝達、自己管理、家庭生活、社会・対人技能、地域社会資源の利用、自律性、学習能力、仕事、余暇、健康、安全などの面での「適応機能」に明らかな制限があることです。

などが症状としているので、人体の構造を伝える時にどこまでわかりやすいように分解して解説するのか、技術を指導する時に話を聞ける状態なのか、聞けない状態なら何を伝えるのかなどが自分の中の課題でした。

広汎性発達障害は、自閉症スペクトラム障害とほぼ同じ意味で使われています。(スペクトラムとは「連続体」の意味です)。自閉症スペクトラム障害は、典型的には、対人関係やコミュニケーションが困難で、興味や行動への偏りが見られるという特徴が現れる障害です。

ですので、いかにして対象となる子どもの興味を引き付けれるか、話をすることが苦手な場合は親を経由するのが好ましいのかなどを考えました。

AD/HDは、(注意欠如/多動性障害)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする。活動に集中できない、気が散りやすい/おとなしくできない、待つことが苦手で他人の邪魔をする。などの症状が出ると予測できるので、保護者の方にご協力してもらい、注意欠損や多動性の予兆がでた時には手伝ってもらうや、より多く話しかけて集中が切れないように工夫しようと意識しました。

ASDは、社会的なコミュニケーションや他の人とのやりとりが上手く出来ない、興味や活動が偏るといった特徴を持っていて、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群とも呼ばれたりします。基本的には、広汎性発達障害の子どもと同じだと対処しやすいのではないかと考えました。

基本的な症状は、調べれば簡単に学ぶことはできます。しかし、障害の症状は人それぞれ、大なり小なり違いがあるので、その場での対応力が重要になってきます。

今回、イベントに参加させてもらう際に、主催側からボランティアのサポートメンバーを紹介いただいた方が、放課後等デイサービスで働かれている方だったので、知的機能、適応機能の障害を持っている子ども達への対応の注意点を教えてもらうことができたので、すごくいい経験ができました。

子ども達は、障害を持っているのではなく、一人一人の個性が強い子ども達として接していかないといけない。なぜなら、障害名がある子どもでも、自我がはっきりしていて意思疎通ができる子も多くいるので、障害があるからと、なんでも手助けをすることや、個人の主張をないがしろにするようなことをすると、子ども達との間に溝が生じてしまうからと、教えていただきました。

なので、実際に、子ども達と接した時に一人一人のスピードに合わせて進めたり、個人の学習意欲に合わせた指導したり、楽しんでもらえるように程よい距離感で接することを意識してのぞみました。

最後に

イベント自体は、子ども達が真剣な顔で積極的に質問してくれたり、同席していた親に笑顔で自ら施術をしたり、人に対して、施術をして喜んでもらう喜びや楽しさを実感してもらえたのではないかと思います。

色々な状況を想定して準備はしましたが、その心構えも必要ないくらいに、聞く姿勢や、学ぶ姿勢を積極的に行ってくれたので、障害を持っているという事を忘れるくらいの子ども達だったので、非常に楽しい空間を一緒に作る事が出来ました。

親御さんと話す機会もあって、衝撃を受けたのですが、養護学校、支援学校には高卒の資格はないそうです。元々、教育課程が違うため普通校への編入もできない事を知りました。

短い時間しか見ていないからかもしれませんが、私は全く普通の子との違いを感じなかったですし、逆に少し内気でかわいらしさを感じるくらいでした。しかし、普通校では支援がないと同じ空間で学べないなど、教員と生徒の少しだけの歩み寄りで改善できる子ども達が将来の視野を狭くさせられていることで、子ども達はもちろん、親御さん達も子ども達の将来に不安を抱えていることも、今回のイベントで知る事が出来たので、すごく良い体験をさせてもらう事ができました。

今後も、整体を通じて社会貢献活動が出来たら良いなと思っています。

担当 草場 げんた