変形性膝関節症などの疾患につながるX脚を早めに改善しましょう

変形性膝関節症などの疾患につながるX脚を早めに改善しましょう

いつまでも健康な体を維持することは大変なことです。普段気にせずに生活をしていたが、ある日突然事故や大きな怪我、腰や膝の痛みにより同じ動作が出来なくなってしまうのは怖いですよね。

しかし、長年の悪い癖や見た目のサインがあっても痛みがないかぎり気づかないふりをしている方も多いと思います。「変形性膝関節症」という疾患を聞いたことがありますでしょうか。

現在、50歳以上の約2人に1人がレントゲンで所見が見られると言われ、その中でも6人に1人が膝の痛みを訴えております

その他にも膝の痛みや腰痛を予防するためにX脚について紹介していきます。見た目の悪さだけでなく、関節の負担を強くしている原因を早めに改善していきましょう。

X脚とは

X脚とは「外反膝」とも呼ばれ、両足を揃えて立った時に両膝がくっついて、正面から見ると下半身が「X」のように見える状態のことです。
両側の内くるぶしの距離が3cm以上でX脚と判断され、1.5~3cmですとX脚予備軍となります。

乳幼児は生理的にO脚に呈しており、歩行し始めてから徐々に膝が外反していき、2~6歳にかけてはX脚傾向となります。
その後少し外反が減少し、7歳くらいで成人の下肢形態である膝関節外反4度に近づきます。

原因

X脚の原因は生理的変形と病的変形の二つに分類されます。
生理的変形として、一般に乳幼児は生理的にO脚に呈しており、歩行し始めてから徐々に膝が外反していきます。

2~6歳にかけてはX脚傾向となります。その後少し外反が減少し、7歳くらいで成人の下肢形態である膝関節外反4度に近づきます。
このような変化では左右が対称となることが特徴であり、痛みは伴いません。

一方、病的変形は靭帯の異常や怪我、大腿骨・脛骨の形態異常、不良姿勢、筋力低下などが挙げられ、片側に症状がみられることが多いです。

例えば、腹筋や背筋のバランスや、股関節周囲の筋肉が硬くなり、骨盤が前傾すると大腿骨が内側に入り、膝が外反しやすくなります。

放置するとどうなるか

X脚の状態で歩行やランニング、ジャンプなどの動作を繰り返すと膝関節の外側に圧着ストレス、内側には理解ストレスがかかります。

また、股関節の内側の筋肉が常に収縮している状態なので、股関節や膝関節の可動域制限なども起きます。

歩くときなどに股関節でバランスをとることが困難となり、腰から上の筋肉を固めて倒れないように体を支えるため、腰痛につながることもあります。

体重管理も重要であり、1kg増えると膝への負担は3倍になると言われています。
X脚を放置するとこのように各関節の負担が大きくなり痛みが出てきたり、可動域が制限されて日常生活に支障が出てきます。

関連する疾患

X脚によりなりやすい疾患として、変形性膝関節症、鵞足炎などが挙げられます。それぞれ解説していきます。

変形性膝関節症
X脚によって膝への負担が大きくなると、関節軟骨がすり減る恐れがあり、変形性膝関節症につながるケースがあります。

初期の症状は歩き始め、立ち上がり時の膝の痛みで、進行すると、歩行困難、膝が伸ばせない、正座ができないなどの深刻な状態になることもあります。

X脚を放置して変形性膝関節症になると膝の痛みを抱え、進行していくと手術療法を行うこともあります。原因を早期治療して膝などの関節の負担を減らしましょう。

鵞足炎
鵞足とは膝の内側の少し下あたりのことで、縫工筋・半腱様筋・薄筋の3つの筋肉の付着部です。

この部位にある滑液包に炎症が起こると「鵞足炎」となります。滑液包とはゼリー状の袋で関節の摩擦を軽減するクッションの役割があります。

ランニングなど膝を良く使う方に多く、痛みや腫れ、突っ張り感などの症状が見られます。
X脚により筋肉の腱と膝の内側の骨が接触しやすくなると、鵞足を構成する筋肉に負担が大きくなり発症するケースもあります。

一般的な治療

治療法は体重管理、姿勢改善、トレーニングやストレッチなどが挙げられます。X脚の原因として、筋力のバランスや姿勢での歪みが挙げられます。

股関節周囲や骨盤の筋肉を使えるようにストレッチやトレーニング、普段からの姿勢の意識で整えることと、膝や腰の痛みが出る前にそれぞれの関節の負担を軽減することが重要です。

当院での治療

当院ではX脚の症状が出ている股関節などの下半身だけでなく、全身を見ていきます。理由として、骨盤の歪みや日常生活での歩き方の癖の原因が他の個所にあることが多いためです。

全身で循環を悪くしている場所や左右で均等に力を使えていない場所を治して、骨盤や背骨などの土台の歪みを整えることで日常生活での体への負担や悪い癖を軽減していきます。

最後に

痛みがなくても関節の硬さやX脚などの変形は、それぞれの関節の負担が大きくなっている恐れがあります

また、原因を見つけて改善することと正しい動きができるように筋肉のバランスや関節を整えること、悪化しないように負担を軽減することで、X脚を改善することは可能です。

治療後に元に戻らないようにするためにも普段の生活習慣の改善、体の歪み、歩くときの癖など当院では問診と検査で細かく調べていきます。
見た目も治し、この先痛みの起こる心配が少しでも減るように早期治療をお勧めします。