腓骨筋腱脱臼とは?
腓骨筋腱脱臼は、運動をすると外くるぶし付近に痛み・腫れ・場合によっては内出血、というのが主な症状です。
通常、腓骨筋腱は外くるぶしの後方を走行しています。腓骨筋腱支帯はバンドのような支持組織で腓骨筋腱を外くるぶしの後方に留めておく役割を果たしています。
したがって腓骨筋腱は、ずれることなく、足関節の肢位に関係なく滑らかに動くことができます。
しかし足関節を捻ったり、背屈されると急激にその走行を変え、腓骨筋支帯が破綻して腓骨筋腱が外くるぶしを乗り越えてしまいます。
このことを腓骨筋腱脱臼と言います。腓骨筋腱が脱臼することで痛みや不安感が出現します。
腓骨筋腱脱臼の原因
急性例では足関節を強く捻ったり、急な背屈動作の際に腓骨筋腱が縮み、外くるぶしから腓骨筋腱支帯が剥がれ、腓骨筋腱が走行する溝を乗り越えて脱臼します。
また、慢性的な捻挫により足関節の靭帯が弛緩してしまうことで腱が外れやすくなり脱臼が起こります。
腱が太い、腱を収める外くるぶしの溝が浅いなどの先天的な要因も関係していると言われています。
腓骨筋腱脱臼の種類
腓骨筋腱脱臼になる原因として「急性」のもの、「慢性」のものの二つが挙げられます。
また腓骨筋腱脱臼の背景として「起こしやすい足」の形があるのも特徴的です。
急性の腓骨筋腱脱臼
〇足関節の内反強制(内返し)
→つま先が内側を向くように捻る。
〇急な背屈動作(着地など)
→背屈によって腓骨筋腱に牽引力が働く。
〇外果の骨折
→外くるぶし部分の構造が崩壊することで腱が脱臼。
慢性的な腓骨筋腱脱臼
〇足関節、とくに外側靭帯のゆるみ。
→内反捻挫や関節弛緩によって、足首の関節がゆるい場合、腱脱臼が起きやすい。
伸筋支帯の断裂や損傷は、初回にきちんと治療しておかないと延長治癒や断裂したままになってしまうことが多いです。
そのため「反復性」や「習慣性」になりやすい特徴があります。
※反復性と習慣性の違い!
反復性…初回と同じような外力によって繰り返す。
習慣性…日常的な動きでも繰り返す。
足関節(足首)を背屈(つま先が上がるような動き)させると、外果の上に腱が移動。足関節を戻すと腱も戻るようになります。
腓骨筋腱脱臼になりやすい足
ジャンプの着地が多い・ターンで急な切り返しなど足首に負担のかかるスポーツで発生することが多いです。(例:スキー・サッカー・バスケットボール・ダンス など)
さらに、腓骨筋腱の脱臼を起こる原因に、先天的な要素が含まれることが考えられます。
腓骨筋腱脱臼の背景になっているといえるでしょう。
発生しやすい足
〇腓骨筋腱が太い
〇関節や靭帯、支帯がゆるい
〇外果が低い・溝が浅い
〇回外足(かかとが内側に向いている)
形態的な要因と内返しやターンなどで急激な負荷によって腓骨筋腱の脱臼が発生するんですね。
一般的な治療
保存療法の場合
受傷後すぐの場合は筋支帯の修復が見込まれるので足関節底屈位で1か月ほど固定します。
手術療法の場合
筋支帯を縫い合わせて脱臼を防ぎます。リハビリ期間もふくめ3か月ほどでスポーツ復帰を目安とされます。
腓骨筋腱の脱臼は先ほども書いたように、捻挫と間違われることがあり、確定診断に時間がかかることが多いです。
当店の施術法
腓骨筋腱脱臼は基本的に戻ることはなく、脱臼した状態で過ごさなければいけません。そうなると筋肉の使い方が変わってしまい身体が歪んできます。
足首の脱臼だけではとどまらず、他の膝や骨盤などにも症状が出てきます。元々脱臼しやすい身体の歪み方をしている方も多くいますので、まずは、お身体全体を検査していきます。
腓骨筋腱脱臼に関する歪みをとっていくことで、間違って使っていた筋肉などが正常に使えるようになります。
まとめ
腓骨筋腱脱臼自体は、捻挫したと思ってもくるぶしの後ろ側に痛みがあったり、腱の動きがおかしかったり、変な音がするような異変を感じることが多いです。
また、すぐ治ると思っている人が多くいるので、違和感を感じたら腓骨筋腱脱臼を疑いましょう。