いつも頭痛に悩まされていませんか?誰もが経験したことがあり、ひどいときは仕事や家事が手につかなくなりますよね。実は頭痛には「片頭痛」・「群発頭痛」・「緊張型頭痛」と呼ばれるものがあります。これらはそれぞれ原因や症状、和らげる方法が違います。あなたを悩ませている頭痛はどれですか?それに合った対処法は知っていますか?今回は頭痛についてお話していきます。
あなたの症状はどれに当てはまりますか?
■片頭痛
<症状>
・頭の片側にもしくは両側に「ズキズキ」「ガンガン」と脈打つような痛み
・4~72時間続く、月に1~2回程度から、ひどいときには週に1~2回
・痛みにより動けず、仕事や勉強、家事などが手につかなくなったり、寝込む場合もある。
・姿勢を変えたり、頭をちょっと傾けたりするだけでも痛みが強くなる。
・頭痛に伴って吐き気や胃のむかつき、普段は気にならない光や音、においに過剰に敏感になる。
・20~40代の女性に極めて多く見られる
<前兆>
目の前にチカチカとしたフラッシュのような光やギザギザした光があらわれたり、視野の一部が見えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)が出ることもある
■群発頭痛
・年中行事のように、1年のうち、決まった期間
・「目の奥をえぐられるような」等と例えられるような激しい痛みが片側の目の奥に起こる
・頭痛に伴って涙が出る、目が充血、鼻水がでるなどの症状も引き起こる
・年に1~2回、期間は1~2ヶ月、毎日のように同じ時間帯に15分~3時間激しい頭痛が繰り返し起こる。
・睡眠中が多いといわれ一度発作が治まると、半年~数年間発作は鎮まります。
■緊張型頭痛
・肩や首すじのこりとともに、頭が締め付けられるような痛み。
・毎日のようにおこる頭痛だがそれほど強い痛みではない
・首や肩の冷え性
あてはまる症状がわかったらその原因を探していきましょう。
■偏頭痛
・季節の変わり目などの温度変化
・女性ホルモンの変動
・ストレスから解放されたときの緊張緩和
・天候による気圧の変化
これらが原因で脳の太い血管が拡張すると、その周囲を取り巻いている頭の中で一番大きな神経「三叉神経」が圧迫され、刺激を受けます。刺激を受けた三叉神経からは痛みの原因となる物質「神経ペプチド」が放出され、血管の周りに炎症が起こります。すると、さらに血管が拡張し、ますます周りの三叉神経が刺激され大脳に伝わり、「痛み」として認識されることによって、頭痛が起こります。
三叉神経からの情報が大脳に伝わる途中で
・視覚や聴覚、臭覚を司る中枢(後頭葉、側頭葉)
・吐き気をコントロールする嘔吐中枢
にも刺激が伝わることによって光や音、においに敏感になったり、吐き気や嘔吐といった症状があらわれます。
ストレスによる頭痛は、過度のストレスを感じることにより脳が刺激を受け血液成分から血管を収縮させる作用をもつ「セロトニン」が過剰に放出され、脳の血管が収縮します。その後、時間の経過とともにセロトニンが分解・排泄されて減少すると、収縮していた血管が今度は反動で急激に拡がり、頭痛が起こるというものです。
■群発頭痛
・疲労や睡眠不足
・体内時計の関与
・アルコールによる血管拡張
・ストレスによるもの
群発頭痛が起こるメカニズムはまだはっきりとしていませんが、上記が原因で頭の血管が拡張し目の後ろを通っている内頸動脈が拡張して炎症が起き、頭痛を誘発すると考えられています。
■緊張性頭痛
精神的なストレスや不自然な姿勢、疲労などが原因で起こる
・不安やうつなど精神的なストレス
・長時間の着席といった不自然な姿勢、悪い姿勢など肉体的なストレス
・歯の噛み合わせが悪いために生じる
・頭痛鎮痛剤の過剰摂取
症状を軽くするには
原因がわかればそれを日常生活から取り除けばいいのですが、そう簡単にはいかないですよね。なので頭痛が起こってしまったとき、痛みを緩和させる方法をご紹介します。
■偏頭痛
・カフェインを摂る
代表格はコーヒー、紅茶、お茶です。カフェインが含まれているものを飲みます。
・頭を冷やす
こめかみのあたりを軽く冷やしてみましょう。キンキンに冷やす必要はないので、ハンカチを濡らして側頭部、こめかみのあたりを軽く拭くのを繰り返してみてください
・ゆっくり深呼吸する
血管は温めると拡張し、冷やすと収縮します。カフェインも血管収縮させる作用があるので血管の拡張による偏頭痛は冷やしてください。また呼吸が浅いと脳が酸素不足になり血管が拡張するので呼吸も意識してみてください
■群発性頭痛
・深呼吸する
・外に出て空気を吸う
・冷たい水を飲む
・昼寝をしない
血管が拡張し炎症をおこしていることが原因といわれています。炎症は冷やすことで治まるので冷たい水を飲んだり患部を冷やすことで症状が和らぎます。また詳しい仕組みはまだわかっていませんが昼寝をすると群発頭痛を誘発すると考えられています。体内時計との関係があるといわれており、群発頭痛の治療を行う上でとったデータをもとに昼寝はしない方がよいとされています。
■緊張性頭痛
・肩や首をあたためる
・一人の時間を作りリラックスする
ストレスなどにより首や肩などが緊張し、こり固まることが原因で起こるため首や肩を温めることが効果的です。運動やマッサージはもちろんホットタオルをあてたり、湯船にしっかり浸かることで体も温まり、リラックスもできるので効果的です。偏頭痛とは原因が異なるため、片頭痛の痛みの対策(冷やす)をとると、かえって頭痛が悪化するので注意してください。
まとめ
ひとことで「頭痛」といっても原因や対策など、全然違いますね。頭痛が起こるのには必ず何か原因があります。あなたの頭痛がどんな時に起こるのか振り返ってみて下さい。少し向き合ってみることで薬を飲んだりただひたすら耐えるだけだった日々が楽になるかもしれません。