長時間のデスクワークやハイヒールでのお仕事で足が悲鳴をあげていませんか?朝は楽々履けていたた靴が、夕方になるとパンパン、足がむくんで痛い・・・そんなことも少なくないですよね。そんな働く女子の天敵「むくみ」について徹底解説します。

むくみとは
血液中の水分が血管の外にしみだして、手や足、顔などの細胞と細胞の間に溜まった状態のことをいいます。
人間の身体の70%以上は水分で、その水分の2/3は細胞内、1/3が細胞の外に存在します。細胞の外に存在する水分の80%は間質液と呼ばれるものですが、この「間質液」がむくみに大きく関係してきます。
心臓は「どきどき」と動くことで血液を送り出すポンプの働きをしています。それによって血液は動脈を通り身体の隅々まで行き渡り毛細血管に達すると毛細血管の小さな隙間から細胞と細胞の間に染み出てきます。これが「間質液」ですね。
染み出た間質液は
・細胞に酸素や栄養素を与える
・細胞の代謝によってできた二酸化炭素や老廃物を受け取る
この2つの役割を果たし血管の静脈側やリンパ管で再吸収され心臓へ戻ります。
動脈を通り毛細血管から染み出た水分量と静脈へ再吸収される水分量は通常同じなので、細胞と細胞の間に存在する「間質液」は一定なのですが、何らかの原因によって染み出る水分量が多すぎたり、再吸収がうまく行かなかったりすると、行き場の無くなった水分が溜まってしまいます。これが「むくみ」です。
一旦むくんでしまうと、本来の間質液の2つの役割も上手くいかなくなり、むくみが慢性化しやすくなります。
血液を体中に行き渡せるポンプの役割として心臓が一番に浮かんでくると思いますが、実は筋肉もポンプとして大事な役割を持っているのはご存知でしょうか?筋肉は動かす事で伸び縮みしますよね。この筋肉の動きがポンプとしての役割を果たしています。例えば、足に流れた血液は重力に逆らうことになりますよね。その際、足の筋肉がポンプの役割を果たして血液を心臓へ送り返す手助けをします。運動がむくみに良いといわれるのはこのことからなんですね。
むくみの原因は日常生活が原因なことがほとんどです。普段の生活がどのようにむくみと関係しているのかも一緒に紹介していきます。
1.立ちっぱなし・座りっぱなしなど長時間同じ姿勢でいる
筋肉は動かして伸び縮みすることによってポンプの働きをします。同じ姿勢でいることによってポンプ機能がうまく働かずに体の中の水分がうまく巡らなくなってしまいます
2. 冷え
体は冷やすと血管が収縮する作用があるので血流が悪くなります。それによって足先などの毛細血管まで血液が行き渡らなくなり冷え性となり、血管の巡りが悪くなることでむくみへと繋がります。
3. 塩分のとりすぎ
塩分には水分を抱え込む性質があります。過剰に取りすぎると余分な水分をうまく排出できなくなります。
4.筋力・新陳代謝の低下
運動不足では、筋力はもちろん筋肉量も低下します。すると基礎代謝も下がり、新陳代謝が悪くなるということです。筋肉のポンプ作用も弱まり、代謝も下がり悪循環となります。
5.栄養不足やホルモンの影響
ビタミンやミネラル、特にカリウムが不足するとむくみやすくなります。また、女性は生理が始まる前や妊娠の際、ホルモンの影響でむくみやすくなります。
6,病気によるむくみ
心臓病などの病気によるむくみや、その薬の副作用によるむくみもありますのでただのむくみだからと油断できない場合があります。
・カリウム(野菜・魚介・肉などにまんべんなく含まれる)
心臓や筋肉の働きを正常に保つ・血液や体液の性状を一定に保つ・身体を活性化させる
・マグネシウム(大豆製品・海藻類・魚介)
代謝を促進して疲労回復を手助けする・筋肉の働きを調整する・筋肉痛を緩和する
・サポニン(大豆・お茶・ウリ科の食品)
体内の余計な水分を代謝させる働き・体内の血液のバランスを調整する働き
・ビタミンB2(豆腐、かぼちゃ、ごぼう、ほうれん草、豚肉)
新陳代謝をうながす効果
・ビタミンB6(レバー・カツオ・マグロ・にんにく・鶏肉・大豆・とうもろこし)
タンパク質の分解・皮脂分泌の調節
ホルモンバランスを整える働きもあるため、生理前のむくみにも。
利尿作用のあるものや筋肉の働きを助けるような食べ物がいいですね。ただ、偏った摂り方をするとまた違う病気になる恐れがありますので、まずは自分に身近な食べ物からバランスよく食べることを心がけてみて下さい。
できれば面倒なことはしたくないあなたへ
むくみに悩まされる人のほとんどは生活習慣の改善により解消できる場合が多いです。でも栄養をバランスよくとって、適度な運動をしたらいいよ!なんていわれてもなかなか改善できるものではないですよね・・・。そんなあなたに今すぐにでも気軽に始められる解消法をいくつかご紹介していきます。
☆水分の取り方に注意
よく1日に2リットルは水分をとるように!なんて耳にしますよね。水分の取り方、気にかけたことはありますか?
・暖かい飲み物を選ぶ
冷たい飲み物はのど越しがよくのどが渇いてなくてもついつい大量に飲んでしまいがちです。暑い昼間にいっぱい飲んでしまい、涼しい夕方になるとその水分が体にたまってむくむことも。
・ゆっくり一口ずつ
乾いたのどを潤すためには必ずしも大量の水分を取る必要はありません。一口ずつゆっくりと口の中全体に行き渡らせるように飲むことでのどの渇きも潤いむくみの予防につながります。
・日中は大め、夜は少なめに飲む
昼間は夜に比べて体を動かす量が多いです。自分では気づかないうちにいっぱい汗をかいているので活動量の多い時間帯は水分補給は大目でもかまいません。反対に活動量の少ない夜は飲み物の量を少し控えるようにしてみましょう。
☆少しでも筋肉に刺激を
座っている時間が多い方
・1~2時間に1回ふくらはぎを上から下に、下から上にともみほぐす
・ちょっとした合間に屈伸運動をする
・足の裏を青竹踏みなどで刺激する
しっかり運動をする時間がとれない方でも、日常生活の中で筋肉が動いてない状態を減らすことでむくみの予防につながります。
☆体を温める
もちろん湯船につかるのが一番ですが疲れていたらそれすら面倒だったりしますよね。
そんなときは足湯で足だけでも温めることをおすすめします。洗面器などに40度くらいのお湯、できれば発刊作用のある塩をひとつまみいれて鼻の頭に汗をかく程度の時間やってみてください。せっかく温めた体がさめないように終わったらしっかりと乾かしましょう。
☆寝るとき
寝間着は体の締め付けない、ゆったりとして汗をしっかり吸い取ってくれるものが良いでしょう。足の下に座布団やタオルなどを敷いて10cmほど高くするとむくみに効果的です。ただ、あまり高くしすぎると血液が上半身に流れ顔がむくんでしまう場合があるため高さややりすぎには注意してください
まとめ
解消法だけじゃなく、むくみのしくみや原因などをご紹介したのは、やっぱり生活から変えていかないとむくみと完全にさよならできる日は来ないから。でもなかなか生活習慣を変えるって難しいですよね。いままでの生活の中に、本格的な運動じゃなくてもいいから「筋肉を動かす」意識と、「体を温める」意識をほんの少しずつでも取り入れていくことで、変化を感じにくいとしてもあなたの体は健康な体に向かおうとしてくれます。できることからでいいので一歩一歩、健康な体を目指していきましょうね。